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高次脳機能障がいに関するQ&A

高次脳機能障がいに関するQ&A

Q1 夫が高次脳機能障がいの診断を受けました。障がい者手帳の申請をしたいのですが、どの手帳になるのでしょうか?

 精神障害者保健福祉手帳の対象になります。障がい名は、器質性精神障がい(交通事故や脳梗塞などの外因性の原因で起きる精神面の障がい)です。

Q2 高次脳機能障がいは、精神障害者保健福祉手帳の対象だと病院で説明を受けましたが、なぜ、相談・支援を身体障害者相談センターで行っているのですか?

 高次脳機能障がいの診断やリハビリテーションを的確に行うため、脳外科や精神科と整形外科との連携が必要ですし、この障がいを持つ人が自立し、社会参加をしていくためには、学校や職場での理解など地域での連携・協力が不可欠です。宮崎県では、このような障がい特性に対応するために、地域リハビリテーションの専門スタッフを備えた身体障害者相談センターを総合相談・支援拠点機関として指定しています。
 また、医学的な見地から支援を行う機関として、宮崎大学医学部が医学的支援・研究拠点機関に指定されています。

Q3 夫は高次脳機能障がいで支援が必要な状態だとの診断を受けています。また働けるようになるように訓練を受けさせたいのですが、どうすればいいでしょうか?精神保健福祉手帳は持っていません。

 障害者総合支援法に基づく就労移行支援などのサービスは、精神障害者福祉手帳がなくても、精神疾患の診断書があればその障がい程度区分に応じたサービスが利用できます。医師の診断書により、市町村窓口に相談してください。
 精神障害者保健福祉手帳の申請を併せて行うこともおすすめします。

Q4 高次脳機能障がいの診断書を書いてもらうには、精神科を受診しなければいけませんか?

 精神科以外のリハビリテーション科医や脳外科医などでも、診断書の発行は可能です。
 しかし、書いたことがないなどと断られた例もあるので、そのようなときはセンターに相談してください。

Q5 夫が交通事故で頭を打ち、手術後、1ヶ月ほど入院しました。幸い、身体に麻痺などは残りませんでしたが、退院して家庭での生活をはじめると、物忘れがひどく、すぐ怒りだすなど、人が変わってしまったように思えます。
 このような状態は、以前、テレビで見た高次脳機能障がいではないかと思うのですが、夫は自分は変わっていないと言い張るし、退院後に通院している病院では、このような状態は目立たないようです。しかも、本人が、私が主治医と話すのを嫌がるので、普段の状態がうまく主治医に伝わらないせいか、病院では夫に高次脳機能障がいがあるとは思っていません。どうすればいいでしょうか?

 高次脳機能障がいのある人の特徴の一つに、病識(自分に病気や障がいがあると理解すること)がないことがあります。
 また、怒りやすくなったなどの高次脳機能障がいの症状(社会的行動障がいなど)の現れ方は、様々です。特に医療機関のように特別な雰囲気を持った環境の中では、社会的行動障がいなどの症状を起こさなかったり、実際以上に自分がしっかりしているように振る舞うことも多いようです。
 このような場合には、家族の方から見て以前と現在と違っている点を全て書き出して、それで主治医に相談してみてください。言葉ではうまく説明できなかった普段の状態を、文書で主治医に知らせて、高次脳機能障がいの診断書を書いてもらえた例もあります。

Q6 夫が階段から落ちて意識を失い、入院1ヶ月でようやく退院できることになりました。主治医からは高次脳機能障がいの疑いがあると言われ、これからどうすればよいか心配です。

 高次脳機能障がいは、その障がい特性に応じた適切なリハビリテーションを受けることによって、相当程度、改善されると言われています。精神障害者保健福祉手帳の取得やリハビリテーションの方針などについて、主治医に相談してください。
 高次脳機能障がいのある人のご家族は、強いストレスにさらされていることが多いようです。一人で悩まないで、病院や親類、友人などに相談できる人をつくるとともに、センターをはじめとする公的機関にもご相談ください。
 平成22年11月に家族会もできました。参加して、同じ立場の人の話を聞いたり、アドバイスを受けたりすることもおすすめします。

Q7 アルツハイマー型の認知症の父は、高次脳機能障がいとは診断されませんでした。しかし、知人に認知症による高次脳機能障がいで精神障害者保健福祉手帳を持っている人がいます。なぜ、このように違う取扱いになるのですか?

 高次脳機能障がいの「診断基準」では、アルツハイマー型などの進行性疾患や先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障がいを原因とするものは、対象から除外されています。(高次脳機能障がいで精神障害者保健福祉手帳を持っている人の認知症は、脳血管障がいなどの進行性でない病気が原因のものであり、器質性精神障がいとして認定されたものと思われます。)

Q8 障害厚生年金1級の認定を受けましたが、精神障害者保健福祉手帳の等級と違っています。

 障害者手帳と年金は、それぞれの制度目的に沿って障がいとその程度等級を決定します。
 双方の等級が異なる事はよくあります。